術後５年目に急速な転帰をたどり剖検にて全身の播種性転移が判明した食道表在癌の１例

• 横山 貴司

  星ヶ丘厚生年金病院外科

• 辰巳 満俊

  星ヶ丘厚生年金病院外科

• 北東 大督

  星ヶ丘厚生年金病院外科

• 川崎 敬次郎

  星ヶ丘厚生年金病院外科

• 新見 行人

  星ヶ丘厚生年金病院外科

• 久下 博之

  星ヶ丘厚生年金病院外科

• 樫塚 久記

  星ヶ丘厚生年金病院外科

• 鎌田 喜代志

  星ヶ丘厚生年金病院外科

• 丸山 博司

  星ヶ丘厚生年金病院臨床検査科

書誌事項

タイトル別名

• A Case of Superficial Esophageal Carcinoma with Systemic Disseminated Metastases Confirmed by Autopsy after A Five–Year Disease–Free Interval.

抄録

症例は77歳の女性で，2003年12月に食道表在癌stage I（T1b，N0）に対して手術を受けた．2008年４月に下腹部痛と嘔吐が出現し当科を受診し，下腹部手術創に３cm大の圧痛を伴う腫瘤を触知した．CTにて腹壁瘢痕ヘルニア嵌頓，小腸腫瘍，癌性腹膜炎を疑ったが，確定診断には至らず試験開腹術を施行した．術中所見では癌性腹膜炎の所見はなく，小腸楔状切除術，腫瘍摘出術を施行した．摘出標本の病理組織では肉腫様に発育した低分化型扁平上皮癌の転移と診断した．術後，腹痛と腹満感が遷延しCTにて癌性胸膜炎・腹膜炎と診断され，急速に病状が悪化し術後43日目に死亡した．剖検では胸膜，腹膜，横隔膜，腸間膜，心，肺，肝，子宮，腰椎，膀胱，リンパ節に腫瘤を形成せず，び慢性に浸潤する癌細胞を認めた．食道表在癌術後５年目に急激な経過をたどり，剖検にて臨床診断と乖離した全身の播種性転移を確認できた症例を経験したので，文献的考察を加えて報告する．

収録刊行物

• 日本外科系連合学会誌

  日本外科系連合学会誌 34 (5), 807-812, 2009

  日本外科系連合学会

キーワード

• 食道表在癌
• 播種性転移
• 剖検

詳細情報

• CRID: 1390001204344271744
• NII論文ID: 10026096464
• NII書誌ID: AN00002502
• DOI: 10.4030/jjcs.34.807
• ISSN: 18829112
• ISSN: 03857883
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2010152501
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可