当科における気管切開術と気管開窓術の比較

  • 加藤 央
    国立国際医療センター耳鼻咽喉科・気管食道科
  • 木村 美和子
    国立国際医療センター耳鼻咽喉科・気管食道科
  • 熊谷 譲
    国立国際医療センター耳鼻咽喉科・気管食道科
  • 田山 二朗
    国立国際医療センター耳鼻咽喉科・気管食道科 東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of Tracheotomy and Tracheal Fenestration Cases at Our Department
  • 当科[耳鼻咽喉科]における気管切開術と気管開窓術の比較
  • トウ カ ジビ インコウカ ニ オケル キカン セッカイジュツ ト キカン カイソウジュツ ノ ヒカク

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抄録

外科的気管切開術は,気管と皮膚との縫合を何如にするかで次のように分類される。気管と皮膚とを縫合せず,もしくは気管弁の一部を皮膚と縫合するのみにとどまる,いわゆる気管切開術と,気管孔周囲と皮膚とを縫合する気管切開術,いわゆる気管開窓術である。前者は,比較的短期間の気管孔管理を要する際に,後者は,長期気管孔管理を要したり,カニューレ自己抜管の危険がある場合などに行われる。<br>当科において2002年2月から2007年8月までに行われた気管切開術24例,気管開窓術55例,計79症例の検討を行った。<br>性別は男性52名,女性27名,平均年齢は57歳であった (1歳から89歳) 。手術に至った病態は,気管切開術群では両側反回神経麻痺,気管開窓術群では長期挿管が最も多かった。平均手術時間は気管切開術群が35分,気管開窓術群は42分であった。1カ月以上,気管孔による気道管理を要した割合は気管切開術群では72.2%,気管開窓術群では100%であった。気管切開術群に比べて気管開窓術群の方が早期・後期ともに合併症の発症率は少なかった。気管孔による長期気道管理が必要な場合には,気管開窓術を選択していくべきである。

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被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (16)*注記

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