中・下咽頭表在癌の内視鏡診断

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タイトル別名
  • Endoscopic diagnosis of superticial pharygeal cancer

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抄録

表在性の中·下咽頭癌を効率よく発見するには,食道癌と同様,中高年の男性,喫煙,飲酒の多い症例,特に,多発食道癌や食道内多発ヨード不染を有する症例,咽·喉頭にメラノーシスを有する症例を対象に内視鏡検査を行う.拾い上げるべき所見は,粘膜の色調変化(粘膜の発赤や白色混濁),血管網の変化(正常血管網の消失や血管増生),表面性状(微細な凹凸や粘膜の粗ぞうさ),凹凸の変化(丈の低い隆起や高い隆起,浅い陥凹)などである.ヨード染色が困難なこの領域では,病変の発見に白色光よりNarrow band imaging(NBI)観察の方が有用であり,NBI観察では,内部に血管の増生をともなう茶褐色の領域(Brownish area;BA)を拾い上げる.病変発見後は,NBI併用の拡大観察を行い,病変の質的診断,範囲診断,深達度診断を行う.色調変化や正常血管網の変化のみで,病巣内に凹凸をともなわない平坦病変(0-IIb),丈の低い隆起性病変(0-IIa),浅い陥凹性病変(0-IIc)は上皮内癌であり,病巣内に目立つ凹凸を有したり,丈の高い隆起や深い陥凹を認める症例は,上皮下浸潤癌であることが多い.中·下咽頭表在癌では,食道癌と異なり隆起性病変と平坦病変が多い.<br>

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