マダイの腸内における食餌性ラクトシュークロースからの短鎖脂肪酸産生と消化器官への影響

DOI 日本農学文献記事索引 Web Site 参考文献31件
  • 木原 稔
    Department of Marine Biology and Sciences, Tokai University

書誌事項

タイトル別名
  • Production of Short-chain Fatty Acids from Dietary Lactosucrose in the Hindgut and Its Effects on Digestive Organs of a Marine Teleost, Red Sea Bream <I>Pagrus major</I>
  • Production of short-chain fatty acids from dietary lactosucrose in the hindgut and its effects digestive organs of a marine teleost, red sea bream Pagrus major

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抄録

オリゴ糖のラクトシュークロース（LS）は，魚類消化管の物理強度を増す作用があり，in vitro においてマダイの腸内細菌に資化される。そこで LS が実際にマダイの腸内で発酵を受けていることを確認するために，腸内の発酵産物である短鎖脂肪酸（SCFA）量を測定するとともに，消化器官の重量を測定した。LS を0.24％含む飼料を 2ヶ月間マダイに給与し，腸内容物中の SCFA 量および水分量，肝臓，胃ならびに腸の湿重量を測定した。この結果，LS 群の腸内容物は対照群よりも有意に高い SCFA 含量を示した。内容物中の自由水含有量は LS 群が対照群よりも低かった。また，胃ならびに腸の重量は，LS 群が対照群よりも重かった。これらの結果から，LS がマダイ腸内で利用されて SCFA を産生することを確認した。投与した LS は消化管重量や腸内容物中の水吸収に影響するが，これらの作用に発酵産物の SCFA が関与していると推測した。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 56 (3), 327-333, 2008

    日本水産増殖学会

参考文献 (31)*注記

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