坑井ストリング内に沈積するアスファルテン量を予測する統合モデルの構築

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  • Integrated Modelling Methods for Asphaltene Deposition in Wellstring

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抄録

アスファルテンの析出・沈積は,油田操業における主要問題の一つである。沈積したアスファルテンは坑井ストリングを部分的あるいは全面的に閉そくし,原油生産を減少させたり停止させたりしてきた。アスファルテン析出に関して研究され,これに関与するさまざまなパラメーターも検討されてきているが,油井からのフローライン全体にわたる生産システムにおけるアスファルテン沈積に関しての研究はあまり多くない。本論文では,坑井ストリング内のアスファルテン沈積挙動を記述するモデルを導入し,アスファルテンの沈積メカニズムを精密で熱的手法によって実験的に解析した。油流量,温度,アスファルテン濃度などのパラメーターがアスファルテン沈積速度に及ぼす影響を観察するために,一連の実験を行った。実験結果を基にアスファルテン沈積モデルを開発した。アスファルテン沈積速度の測定値とモデルによる予測値はよく一致した。引き続きこのモデルを深刻なアスファルテン沈積問題をかかえるイランの油田に適用した。坑井ストリングモデルでは,熱力学アスファルテン析出モデルと,先に述べたアスファルテン沈積モデルが統合されている。この統合されたモデルによって,アスファルテンによるパイプ閉そく時間を的確に予測でき,生産時間に応じたアスファルテン沈積厚さとその深度を求めることができる。二つのモデルを統合した本モデルは,坑井ストリング内のアスファルテン沈積状況を予測できる初めてのものである。

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