KCNQ1変異マウスにおける単相性活動電位と心電図記録を用いた心室再分極過程の評価

  • 桑原 正貴
    東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻 比較病態生理学教室
  • 八木 健生
    東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻 比較病態生理学教室
  • 伊藤 公一
    東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻 比較病態生理学教室
  • 西尾 元
    大阪医科大学予防・社会医学講座法医学教室
  • 鈴木 廣一
    大阪医科大学予防・社会医学講座法医学教室
  • 局 博一
    東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻 比較病態生理学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Ventricular Repolarization with Monophasic Action Potential and Electrocardiogram in KCNQ1 Mutant Mice

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抄録

心電図におけるQT間隔の異常な延長は重篤な不整脈の発生につながると考えられている.本研究は,小型げっ歯類の心臓におけるイオンチャネルの機能を解明するため,IKsチャネルのαサブユニットであるKCNQ1に変異をもつvertigo2マウスと対照動物のC3Hマウスを用いて体表面心電図とMAP記録から電気生理学的特性を明らかにすることを目的とした.その結果,正常な成熟マウスにおいてIKsチャネルが再分極電流として機能することが示された.一方,vertigo2マウスのIKsチャネルは機能的にも働いておらず,そのためQT間隔の延長を呈する可能性が示唆された.また,MAPの測定からマウスの心臓では,心尖部のほうが心基部よりも活動電位持続時間(APD)の長い特性をもつことが明らかとなった.IKsチャネルを遮断することにより心尖部ではAPDの延長が認められたものの心基部では顕著な変化が認められなかったため,IKsチャネルの分布に心尖部-心基部で差異が存在することも示唆された.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 29 (3), 200-205, 2009

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (37)*注記

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