メレンゲの熱伝導におよぼす起泡条件の影響

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タイトル別名
  • Thermal Conduction in Egg Albumen Foam (Meringue) during Heating
  • メレンゲ ノ ネツ デンドウ ニ オヨボス キホウ ジョウケン ノ エイキョウ

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抄録

(1) メレンゲのような卵白とショ糖との混合物で調製された泡沫系を対象に,105℃における間接加熱下での内部熱移動にかかわる一連のモデル加熱実験を行った.<BR>(2) 家庭用ハンドミキサーを用い,ローターの回転数を800rpm一定として室温でボウル内の上記混合物を90s,180s,240sおよび300sの起泡操作の結果,分散空気量(気泡体積分率)の異なる四種類の泡沫試料を得た.すなわち,起泡操作時間が長いほど分散空気量が増し,泡は微細化されるが,操作時間が300sを越えるとそれらは一定値にほぼ収束する.いずれも状態変化の早い試料であるので,以下の測定は全て調製後50min以内に実施した.<BR>(3) 定常流動下での流動曲線,および微小変形下でのクリープ挙動からそれぞれ求められる降伏値,定常流粘度,静的弾性率,静的粘度はいずれも起泡操作時間が長い試料ほど大きな値を示すことから,試料中の分散気泡量が増し,気泡が小さくなるほど粘稠で硬度のあるメレンゲ試料が生成することが示唆される.<BR>(4) 起泡操作時間の長い試料ほど非定常熱移動を律する熱拡散率の値が低くなるが,その原因は起泡操作時間が長くなるほどメレンゲ試料の熱伝導率が低く,定圧比熱容量が高くなる傾向が現われるためと考えられた.<BR>(5) 金属製容器内での加熱操作(pan-broiling)によるメレンゲ試料内部の温度上昇速度は,加熱面から試料内部x軸方向において遅延現象として解析可能な形式に従うことが認められた.この形式は,これまでに実施された種々の状態の食材を対象にした加熱下での熱移動測定の結果に一致する.

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