製糖工程から分離した乳酸菌を用いたサワーブレッドの風味と防カビ性能
書誌事項
- タイトル別名
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- Distinctive Flavor and Strong Antifungal Activity in a Sourdough Bread Made Using Unique lactic Acid Bacteria Obtained from a Sugar Factory
- セイトウ コウテイ カラ ブンリ シタ ニュウサンキン オ モチイタ サワーブレッド ノ フウミ ト ボウカビ セイノウ
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抄録
当社は北海道十勝管内に所在する芽室製糖所の製糖工程から,産業利用目的に有用な微生物の取得を行っている.製糖工程の温水浸出汁から取得された乳酸菌を使用し,独自の乳酸菌を用いてサワーブレッドの作製を試みた.<BR>取得された乳酸菌菌株NT株は,16SリボソームDNA配列に基づく相同性検索の結果,ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)と同定された.本菌種は古来よりチーズやヨーグルトの製造等に用いられており,食経験のある菌種である.<BR>NT株を乳酸菌培地で培養し,得られた乳酸菌菌体液を使用して市販スターター(TKスターター)と同じ工程によりサワー種を作製した.製パンは,ストレート法食パンにサワー種を添加しサワーブレッドを焼成し,官能試験,有機酸抽出,香気成分分析,防カビ性能の試験を行い市販スターターサワーブレッドおよびサワー種無添加ブレッド(一般的な食パンに該当)と比較した.<BR>官能試験の結果,NT(NT株を使用したサワーブレッド)は強いチーズ臭のするサワーブレッドであった.NTについてGC-MSにより香気成分を分析したところ,チーズ臭はアセトイン,酪酸に由来するものと考えられた.<BR>また,防カビ試験の結果より,NTは市販スターターよりも高い防カビ性能を保持していた.高い防カビ性能を有する理由として,NT株の生産する有機酸等の抗真菌活性物質が推測されたが,今回の試験では明らかとならなかった.
収録刊行物
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- 日本食品科学工学会誌
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日本食品科学工学会誌 57 (2), 85-90, 2010
公益社団法人 日本食品科学工学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206409273600
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- NII論文ID
- 10026294462
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- NII書誌ID
- AN10467499
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- ISSN
- 18816681
- 1341027X
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- NDL書誌ID
- 10551427
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可