アガロオリゴ糖によるヘムオキシゲナーゼ‐1誘導機構と抗炎症作用
書誌事項
- タイトル別名
-
- Induction Mechanism of Heme Oxygenase-1 and Anti-inflammatory Activity by Agaro-oligosaccharides
- アガロオリゴ糖によるヘムオキシゲナーゼ-1誘導機構と抗炎症作用
- アガロ オリゴトウ ニ ヨル ヘムオキシゲナーゼ 1 ユウドウ キコウ ト コウエンショウ サヨウ
この論文をさがす
抄録
寒天の主成分であるアガロースは酸により容易に加水分解され還元末端にAh-Galを持つアガロオリゴ糖が生成する.アガロオリゴ糖はヘムオキシゲナーゼ-1の誘導を介して抗炎症作用を発揮することが示唆されている.<BR>今回,我々はアガロオリゴ糖の抗炎症作用をさらに解析するために,アガロオリゴ糖によるヘムオキシゲナーゼ-1誘導が転写因子Nrf2を介するかどうか,またLPS刺激NF-κBの活性化をアガロオリゴ糖が抑制するかどうか,またその時のヘムオキシゲナーゼ-1の関与について試験した.<BR>アガロオリゴ糖はその鎖長によらずヘムオキシゲナーゼ-1産生を誘導した.また,RAW264.7細胞においてsiRNAを高効率低毒性で導入できる試験系において,Nrf2 siRNA遺伝子をノックダウンしたときにアガロビオースによるヘムオキシゲナーゼ-1遺伝子発現誘導が抑制されることが確認され,Nrf2の関与が示された.また,LPS刺激NF-κBの活性化をアガロビオースはある程度抑制したが,この効果はHO-1 siRNAによってヘムオキシゲナーゼ-1遺伝子をノックダウンしても影響がなかった.<BR>以上の結果から,アガロオリゴ糖はNrf2の活性化によりヘムオキシゲナーゼ-1遺伝子発現を誘導するが,一方でこのヘムオキシゲナーゼ-1遺伝子発現誘導非依存的にNF-κBの活性化を部分的に抑制し,抗炎症作用を発揮することが示唆された.
収録刊行物
-
- 日本食品科学工学会誌
-
日本食品科学工学会誌 57 (4), 157-162, 2010
公益社団法人 日本食品科学工学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282681384192000
-
- NII論文ID
- 10026294699
-
- NII書誌ID
- AN10467499
-
- ISSN
- 18816681
- 1341027X
-
- NDL書誌ID
- 10643810
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可