大腸ポリポーシスと腸間膜デスモイド腫瘍に対してtamoxifenとsulindacが長期間奏効しているGardner症候群の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Long-term Use of Tamoxifen and Sulindac for the Treatment of Mesenteric Desmoid Tumors and Polyposis in Gardners' Syndrome

この論文をさがす

抄録

症例は50歳代,女性.1995年10月,前医でS状結腸癌による腸閉塞と診断され緊急手術.術中にはじめて大腸ポリポーシス,また同時に微小肝転移を指摘され,S状結腸切除,肝部分切除術を施行.術後精査の結果,Gardner症候群と診断され,残存する大腸ポリープに対して定期的に内視鏡的治療が行われた.1997年初旬,腹部腫瘤を指摘され当院に紹介.長径7cm大の腸間膜デスモイド腫瘍と診断され,同年6月,手術施行.腫瘍は小腸間膜内を浸潤性に発育し上腸間膜動静脈を巻き込んでいた.完全摘出には広範な小腸切除が必要で術後quality of lifeの低下が予測されたため,切除不能と判断.術後tamoxifenとsulindacによる薬物治療を行った結果,デスモイド腫瘍は徐々に縮小,大腸ポリープの数も減少し,10年以上経過した現在もPRを維持している.今回の経験から切除による欠落症状が大きくなる場合には無理に切除を行わず,本治療法を選択することも許容されると思われた.<br>

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (44)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ