透析患者の長期留置型カテーテルに合併したカテーテル関連血流感染症に対する抗生剤ロック療法の経験

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タイトル別名
  • Antibiotic lock therapy for the treatment of catheter-related bloodstream infections (CRBSI) in maintenance hemodialysis patients with long-term intravascular catheters
  • 症例報告 透析患者の長期留置型カテーテルに合併したカテーテル関連血流感染症に対する抗生剤ロック療法の経験
  • ショウレイ ホウコク トウセキ カンジャ ノ チョウキ リュウチガタ カテーテル ニ ガッペイ シタ カテーテル カンレン ケツリュウ カンセンショウ ニ タイスル コウセイザイ ロック リョウホウ ノ ケイケン

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抄録

透析患者の長期留置型カテーテルに合併したカテーテル関連血流感染症(catheter-related bloodstream infection:CRBSI)に対して抗生剤ロック療法を施行し,良好な経過をたどった2例を経験したので報告する.【症例1】患者は56歳,男性.糖尿病性腎症による慢性腎不全のため12年前に血液透析を導入し,6か月前に左鎖骨下静脈より長期留置型カテーテルを挿入した.発熱を主訴に入院し,精査によりメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus:MSSA)によるCRBSIと診断した.セファゾリン(CEZ)の経静脈的投与とバンコマイシン(VCM)による抗生剤ロック療法を計4週間施行し治癒した.【症例2】患者は72歳,女性.関節リウマチのため寝たきり.3か月前に肺炎と尿毒症のため入院し,右内頸静脈より長期留置型カテーテルを挿入した.発熱を認め,精査によりメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus epidermidis:MRSE)によるCRBSIと診断した.VCMの経静脈的投与とVCMによる抗生剤ロック療法を計2週間施行し治癒した.長期留置型カテーテルの抜去が困難な場合には,抗生剤の経静脈的投与と抗生剤ロック療法の併用がカテーテル温存に有効であることが示唆された.

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参考文献 (33)*注記

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