腹部CT所見で内ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断した大網裂孔ヘルニアの1例

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タイトル別名
  • A Case of an Incarcerated Transomental Hernia Diagnosed with Abdominal CT

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抄録

症例は41歳男性。開腹手術の既往なし。突然の心窩部痛を訴え当院救急搬入。腹部触診では臍中心に圧痛と筋性防御を認めた。腹部CT検査で腹水と小腸拡張および腸間膜収束像を認めた。内ヘルニアによる絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した。開腹所見では,大網裂孔に約1mの小腸が嵌頓壊死しており大網裂孔ヘルニアと診断した。嵌頓壊死小腸はTreitz靱帯より3m10cm肛門側の回腸であった。大網裂孔の開放と壊死小腸の切除を行い手術を終了した。術後は経過良好で第10病日に退院された。内ヘルニアはまれな疾患で,なかでも大網裂孔ヘルニアの頻度は低くその術前診断は困難とされているが,近年腹部CT所見から術前診断し得た報告例が相次いでいる。今回われわれは腹部CT所見により内ヘルニア嵌頓による絞扼性イレウスと診断し,手術にて大網裂孔ヘルニアが判明した症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。

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参考文献 (12)*注記

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