神経線維腫症1型に合併した正中仙骨動脈破裂の1例

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タイトル別名
  • A Case of Type 1 Neurofibromatosis Associated with Rupture of the Median Sacral Artery

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抄録

症例は38歳,女性。16歳時に,神経線維腫症1型と診断された。2008年12月,めまいと肛門痛を主訴にて前医を受診。肛門周囲膿瘍の診断で切開を受けたが,止血しないとのことで当院を紹介受診した。来院時ショック状態であり,輸液ラインを確保し入院した。腹部CT検査にて,仙骨前面と右臀部皮下に連続する約10cmの血腫を認めた。輸血にても貧血は改善せず,血管撮影検査を行った。正中仙骨動脈末梢に動脈性の出血があり,塞栓術を施行し,その後バイタルサインは安定した。CTやMRI検査でも同部位には腫瘍を認めず,神経線維腫症1型に伴う血管脆弱性に起因し,正中仙骨動脈が破裂し出血性ショックをきたしたものと思われた。出血が致命的になった例も報告されており,神経線維腫症1型を有する患者の診療においては,本症例のような併発症をつねに念頭に置くべきと考えた。

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参考文献 (23)*注記

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