鈍的外力による外傷性胃粘膜裂傷の1例

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  • A Case of Gastric Mucosal Laceration Due to Blunt Trauma

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抄録

症例は60歳,女性。飲食後自動車を運転中に対向車との衝突により車体が回転し立木に激突し受傷した。救急搬入時,意識は清明で全身に明らかな打撲による損傷は認めず,胸腹部CT上も外傷性気胸,肺挫傷,腹腔内出血,腹腔内遊離ガスはなく経過観察とされた。3時間後に少量の吐血があり腹部単純CTを再施行し胃内に高吸収域の液体貯留を認めたため,初診時の造影CTを確認すると胃小弯に造影剤の漏出が疑われ緊急内視鏡検査を施行した。食道胃接合部直下の小弯に粘膜の裂傷による出血を認め,クリップにより粘膜を縫縮し止血した。今回,腹部に直達的な打撲や胃内圧の急激な上昇をきたす圧迫がなく,事故の際に作用した鈍的外力である減速力が原因と推察された胃粘膜裂傷の症例を経験したので損傷機転について考察し報告する。

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