陰嚢まで達する鼠径部膀胱ヘルニアの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF INGUINOSCROTAL BLADDER HERNIA

この論文をさがす

抄録

症例は75歳の男性.右鼠径部の膨隆および排尿障害(二段排尿)を主訴に当院受診.右鼠径部から陰嚢にかけて手拳大の膨隆を認め,右鼠径ヘルニアを疑った.触診にて膨隆は弾性硬で圧痛なく,ヘルニア内容が腸管ではない可能性も考えられた.64列multidetector CT(以下MDCT)にて,ヘルニア内容が膀胱の一部であることを確認した.膀胱ヘルニアと診断し,手術を施行した.滑脱した膀胱壁は切除することなく還納した.PROLENE® Hernia Systemを用いてヘルニア根治術を施行した.膀胱ヘルニアは,術前に診断されなければ術中膀胱損傷や膀胱合併切除となる恐れもあるため,術前に確定診断をつけることが重要である.本例では64列MDCTが診断に有用であった.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (41)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ