非外傷性十二指腸壁内血腫の1例

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  • NON-TRAUMATIC INTRAMURAL HEMATOMA OF THE DUODENUM-A CASE REPORT-

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抄録

症例は48歳,男性.頻回の嘔吐をきたし当院を受診,嘔吐に伴うと思われる代謝性アルカローシスを呈していた.腹部CTでは胃の著明な拡張と十二指腸に径約8cmの腫瘤像を認めた.上部消化管造影検査では十二指腸下行脚の狭窄像を認め,上部消化管内視鏡検査では十二指腸粘膜下病変とそれに伴う狭窄を認めた.補液等により全身状態を改善させた後,十二指腸GISTと診断,膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本において腫瘍は認めず,十二指腸壁内血腫と病理組織学的に診断された.血腫形成の原因として大量飲酒・慢性膵炎の関与が疑われた.非外傷性の十二指腸壁内血腫はまれであるため腫瘍との鑑別診断が問題となるが,術前診断がつけば手術を回避することもできるため,より丁寧な術前診断を心掛けることが重要であると考えられた.

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