骨盤内膿瘍を契機に診断されたgoblet cell carcinoidを合併した原発性虫垂癌の1例

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  • A CASE REPORT OF A PRIMARY ADENOCARCINOMA AND A GOBLET CELL CARCINOID LESION LOCATED IN THE APPENDIX COMPLICATED BY A PELVIC ABSCESS

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抄録

症例は78歳,女性.心窩部痛を主訴に近医を受診し,経過中に下腹部痛,炎症反応の増悪を認めたため当科を紹介受診となった.腹部CT検査で骨盤内に嚢胞性腫瘤とこれに接して虫垂の腫大を認めた.急性虫垂炎および骨盤膿瘍の診断で虫垂切除,膿瘍ドレナージ術を施行した.肉眼所見では切除した虫垂の基部に隆起型の腫瘤を認めた.病理組織検査において,虫垂基部から体部にかけて粘膜下層に浸潤する腺癌および先端部にカルチノイドの1亜型である杯細胞型カルチノイド(goblet cell carcinoid)を認めた.虫垂基部断端に癌細胞の露出を認めたため,初回手術後21日目に右半結腸切除および3群リンパ節郭清を施行した.<BR>虫垂のgoblet cell carcinoidは稀な疾患で本邦で80例の報告があるに過ぎないが,原発性虫垂癌との合併例は自験例を含め2例の報告があるのみであった.若干の文献的考察を加えて報告する.

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