Pseudo‐Meigs症候群を呈した直腸癌異時性卵巣転移の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF METACHRONOUS OVARIAN METASTASIS OF RECTAL CANCER ASSOCIATED WITH PSEUDO-MEIGS SYNDROME

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抄録

直腸癌異時性卵巣転移によるpseudo-Meigs症候群の1例を経験した.症例は53歳,女性.再発直腸癌に対し化学療法中に腹部膨満,体重増加,食欲不振を主訴に受診.胸腹水および骨盤内腫瘤を認め,CEA,CA19-9,CA125高値を示し,卵巣腫瘍によるpseudo-Meigs症候群の可能性を考えた.次第に呼吸不全による全身状態の増悪を認め,短期予後改善目的に右付属器摘出術を施行した.組織学的にはcytokeratin7陰性,cytokeratin20陽性で,直腸癌異時性卵巣転移によるpseudo-Meigs症候群と診断した.術後,胸腹水は消失し再貯留を認めなかった.化学療法再開するも,徐々に状態が悪化し,術後4カ月後に原癌死した.大腸癌異時性卵巣転移は予後不良であるが,胸腹水を合併した卵巣腫瘍に対して本症候群を念頭に置くことで,原癌死以外による呼吸不全等に起因する不良な予後の改善に寄与すると考える.

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