CTにて術前診断された虫垂憩室炎合併虫垂炎の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF APPENDICITIS COMPLICATED BY APPENDICEAL DIVERTICULITIS DIAGNOSED PREOPERATIVELY ON CT

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抄録

虫垂憩室炎は比較的稀な疾患で,術前診断は困難である.今回術前腹部CTで虫垂憩室合併虫垂炎と診断し,手術を施行した患者を経験したので,文献的考察を含めて報告する.患者は54歳,男性.主訴は右下腹部痛で,触診にてMcBurney点に一致して圧痛,反動痛,筋性防御を認めた.体温37.7℃.白血球15,900/μl,CRP 3.1mg/dlであった.CTで盲腸多発憩室,多発憩室を伴う虫垂の腫大と脂肪織の混濁を認め,虫垂憩室合併虫垂炎と診断し,手術を施行した.虫垂憩室の一部が穿孔し,虫垂憩室炎合併急性蜂窩識性虫垂炎による限局性腹膜炎であった.虫垂憩室炎の穿孔率は27~66%と高く,急性虫垂炎における穿孔率の4倍以上との報告がある.腹膜炎を高率に合併し,容易に膿瘍形成や穿孔を生じやすいため,有症状でCT等により虫垂憩室を伴った急性虫垂炎と診断した場合は,炎症の程度にかかわらず保存的治療ではなく手術を選択すべきである.

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参考文献 (18)*注記

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