黒毛和種ウチモモの画像解析形質に関する遺伝的パラメータの推定

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抄録

牛枝肉の評価は第6〜7肋骨間横断面のロース芯の格付を中心に行われているものの、ウチモモの脂肪交雑は枝肉購買の際、枝肉の価値を測る指標の一つとして重要視されている。本研究では画像解析の手法を用いて、ウチモモの脂肪交雑に関する遺伝的パラメータを推定することを目的とした。供試材料は、北海道内の枝肉市場に上場された黒毛和種雌牛440頭である。買参入がモモ抜けを確認するウチモモの筋肉露出部(以下、オオモモ)と第6〜7肋骨間横断面におけるロース芯のデジタル画像を撮影して画像解析を行い、脂肪面積割合、脂肪交雑粒子のあらさ指数および細かさ指数などの5形質を画像解析形質としてそれぞれ求めた。オオモモの脂肪面積割合をロース芯のそれで除した値をモモ抜け指数とした。また、枝肉格付形質として枝肉重量、BMSナンバーなどの6形質を取り上げた。数学モデルには、出荷年月、出荷月齢および出荷地域を考慮し、アニマルモデルによる遺伝率および遺伝ならびに表型相関係数を推定した。オオモモの画像解析形質の遺伝率は、脂肪面積割合(h(2)=0.61)、あらさ指数(0.55)、あらさ指数1〜5(0.41)、細かさ指数(0.52)およびモモ抜け指数(0.42)において中程度から高い値が推定された。オオモモ脂肪面積割合とBMSナンバー(0.84)ならびにロース芯脂肪面積割合(0.79)との遺伝相関は高い正の値を示したが、表型相関においてはそれぞれ0.61、0.70と中程度の値となった。

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