腸重積で発症し待機的腹腔鏡下手術を施行した上行結腸癌の1例

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  • Elective Laparoscopic Surgery for Intussusception Due to Ascending–Colon Cancer

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抄録

腸重積を合併した進行上行結腸癌に対して腹腔鏡手術を施行した1例を報告する.症例は42歳,女性.平成20年11月に下腹部痛が出現し当院外来受診.腹部超音波とCTで腸重積症の診断となり入院した.大腸内視鏡検査で上行結腸に隆起性病変を認め,上行結腸腫瘍による腸重積の診断となった.大腸内視鏡の送気により腸重積は整復可能だった.生検で中分化型腺癌の診断となり,経口摂取開始し腹部症状の出現を認めず,待機的手術の予定とし3日目に一時退院となった.腸重積発症後7日目に再入院し,腹腔鏡下結腸右半切除術およびD3郭清を施行した.手術時には腸重積は解除されており,手術操作に難渋することはなかった.成人腸重積症は全腸重積症例の5~10%と稀であり,腫瘍などの器質的疾患が原因となることが多い.腸重積合併進行上行結腸癌に対しても,腸重積整復後に待機的腹腔鏡下根治手術が可能であることが示された.

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