下顎下切開アプローチによる巨大な頭蓋外内頸動脈瘤の1手術例

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  • A Giant Extracranial Internal Carotid Artery Aneurysm Operation with Skin Incision Under and Along the Lower Jaw

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抄録

頭蓋外頸動脈瘤は稀な疾患であり,原因は変性,線維筋異形成,外傷,頸動脈内膜摘除後などである.治療法として,外科手術や血管内治療が報告されている.症例は47歳,女性.主訴は左頸部腫瘤である.頸部CT,MRIで左内頸動脈に壁在血栓を伴う 4.5 cmの嚢状瘤を認めた.手術は左下顎下に皮膚割線に沿って,正中から左茎状突起まで皮膚を切開し,皮弁を作成した.これにより内頸動脈末梢部までの剥離が可能であった.総頸,外頸,内頸動脈を遮断,動脈瘤を切除し,再建は内頸動脈の中枢,末梢の健常部を端々吻合した.周術期に脳梗塞の発症はなかった.術後,左反回神経麻痺や顔面神経下顎枝麻痺を認めたが,徐々に軽快した.頸動脈疾患に対して,胸鎖乳突筋前縁に沿った皮膚切開でアプローチすることが多いが,今回われわれは巨大な頭蓋外内頸動脈瘤に対して,下顎下切開アプローチで良好な視野を確保し,安全に根治術を施行することができた.

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