腎性低尿酸血症における運動後急性腎不全の発症機序の関する考察

• 武輪 鈴子

  関西医科大学小児科学

• 谷口 奈穂

  関西医科大学小児科学

• 田中 幸代

  関西医科大学小児科学

• 中野 崇秀

  関西医科大学小児科学

• 蓮井 正史

  関西医科大学小児科学

• 金子 一成

  関西医科大学小児科学

• 野津 寛大

  神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学

書誌事項

タイトル別名

• Mechanisms of exercise-induced acute renal failure in idiopathic renal hypouricemia: a case report and a review of the literature

抄録

腎性低尿酸血症は，human urate transporter1の異常により低尿酸血症をきたす疾患で，運動後急性腎不全の合併が多い。その発症機序について二つの仮説，すなわち「急性尿酸腎症説」および「活性酸素関与説」が提唱されているが，詳細は不明である。<br>　本論文では，腎性低尿酸血症の患者において運動後急性腎不全の合併しやすい理由を過去の文献を参考に考察するとともに，筆者らが経験した腎性低尿酸血症患児において，運動負荷の上で酸化ストレス度と抗酸化力を測定した結果を紹介した。患児は対照成人と同様，運動負荷直後から酸化ストレス度の上昇を示したが，抗酸化力は対照成人と異なり，運動負荷後，急激に低下した。すなわち対照に比して運動負荷時の酸化ストレス増大に見合う抗酸化力を有していないことが示唆された。以上より，酸化ストレス急増時の抗酸化力の相対的不足が腎性低尿酸血症における運動後急性腎不全発症に関与しているものと思われた。

収録刊行物

• 日本小児腎臓病学会雑誌

  日本小児腎臓病学会雑誌 22 (2), 147-151, 2009

  一般社団法人 日本小児腎臓病学会

キーワード

• 腎性低尿酸血症
• 運動後急性腎不全
• URAT1
• 抗酸化力
• 活性酸素

詳細情報

• CRID: 1390001204340269184
• NII論文ID: 10026411838
• NII書誌ID: AN10328470
• DOI: 10.3165/jjpn.22.147
• ISSN: 18813933
• ISSN: 09152245
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2010039917
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可