トルトラズリルの牛コクシジウム病に対する有効性および安全性に関する臨床的検討

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  • トルトラズリル ノ ギュウ コクシジウムビョウ ニ タイスル ユウコウセイ オヨビ アンゼンセイ ニ カンスル リンショウテキ ケントウ

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抄録

トリアジン誘導体であるトルトラズリルの牛コクシジウム病発症予防効果および安全性を調べることを目的に、168頭の子牛を用いて投与試験を実施した。その結果、有効性試験(n=134)では薬剤投与群(n=67)の発症率(0%)が無投与対照群(n=67)のそれ(38.8%)に比べ有意に低かった(p<0.01)。また、薬剤投与群のオーシスト排泄率およびOPG値は投与後4週までは無投与対照群に比べ有意に低く(p<0.01)、便性状や下痢便排泄率でも顕著な差が認められた。一方、安全性試験(n=168)では薬剤投与群(n=84)と無投与対照群(n=84)でそれぞれ19.0%および26.2%の個体に呼吸器症状がみられたが、薬剤投与に起因する有害事象はみられなかった。以上のことから、トルトラズリル5%経口液は牛コクシジウム病発症を抑え、臨床的に有用性が高い薬剤であることがわかった。

収録刊行物

  • 動物の原虫病

    動物の原虫病 24 (1), 6-10, 2009-12

    相模原 : 日本動物原虫病学会

参考文献 (10)*注記

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