環境に応じて2種類のエネルギーを使い分ける  ハイブリッド型生物モーター  べん毛モーターの固定子から考える細菌の環境適応と進化

  • 伊藤 政博
    東洋大学生命科学部生命科学科 同大学バイオナノエレクトロニクス研究センター
  • 寺原 直矢
    同大学バイオナノエレクトロニクス研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Single Stator Complex of Bacterial Flagellar Motor Can Be Use Both H<sup>+</sup> and Na<sup>+</sup> for Stator Force Generator in Alkaliphilic <i>Bacillus</i> and Confer Dual Ion Use on <i>Bacillus subtilis</i> Motors
  • カンキョウ ニ オウジテ 2シュルイ ノ エネルギー オ ツカイワケル ハイブリッドガタ セイブツ モーター ベンモウ モーター ノ コテイシ カラ カンガエル サイキン ノ カンキョウ テキオウ ト シンカ
  • べん毛モーターの固定子から考える細菌の環境適応と進化

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抄録

一般に,好アルカリ性細菌は,プロトン駆動力ではなくナトリウム駆動力を利用してべん毛モーターを駆動し遊泳していると考えられてきた(1).そして,そのエネルギー変換ユニットに当たるNa+ 駆動型の固定子MotPSも同定されていた.しかし,全ゲノム解読が終了した好アルカリ性細菌 Bacillus clausii KSM-K16 株は,MotPSではなく好中性細菌がもつプロトン駆動型の固定子MotABをもっていた.この固定子の機能を解析した結果,通常のゲノムアノテーションだけでは発見できない,この細菌が高アルカリ性環境に適応するためにとった進化戦略を垣間見ることができた.

収録刊行物

  • 化学と生物

    化学と生物 47 (7), 473-479, 2009

    公益社団法人 日本農芸化学会

参考文献 (23)*注記

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