異所性胸腺由来胸腺癌の1例

  • 守屋 真紀雄
    独立行政法人国立病院機構 金沢医療センター 呼吸器外科
  • 太田 安彦
    独立行政法人国立病院機構 金沢医療センター 呼吸器外科
  • 川島 篤弘
    独立行政法人国立病院機構 金沢医療センター 臨床検査科

書誌事項

タイトル別名
  • Cervical carcinoma of the ectopic thymus, called a carcinoma showing thymus-like differentiation: A case report

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抄録

症例は39歳,女性.右前頸部腫瘤の穿刺吸引細胞診にて扁平上皮癌と診断され,精査加療目的に紹介された.画像所見より,原発不明癌の頸部リンパ節転移,または縦隔癌を疑い,腫瘍摘出術を施行した.病理学的に,大部分が未角化な腫瘍で,一部角化を伴い,ハッサル小体様の構造も認め胸腺癌が疑われた.免疫組織化学染色では,胸腺癌のマーカーであるCD5が陽性であり,その他の免疫組織化学染色結果と合わせてCarcinoma showing thymus-like differentiation(以下CASTLE)と診断した.CASTLEは甲状腺内あるいは頸部軟部組織の異所性胸腺や胎生期胸腺遺残組織から発生する非常に稀な腫瘍である.頸部・上縦隔腫瘍の鑑別診断としてCASTLEを念頭に置く必要がある.

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参考文献 (20)*注記

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