ペグインターフェロン・リバビリン療法中に無痛性甲状腺炎を発症後,連続してバセドウ病を発症したC型慢性肝炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of Graves' disease following painless thyroiditis induced by pegylated-interferon and ribavirin therapy to a patient with chronic hepatitis C
  • 症例報告 ペグインターフェロン・リバビリン療法中に無痛性甲状腺炎を発症後,連続してバセドウ病を発症したC型慢性肝炎の1例
  • ショウレイ ホウコク ペグインターフェロン リバビリン リョウホウ チュウ ニ ムツウセイ コウジョウセンエン オ ハッショウ ゴ レンゾク シテ バセドウビョウ オ ハッショウ シタ Cガタ マンセイ カンエン ノ 1レイ

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抄録

症例は68歳,女性.2007年4月より2008年4月まで,C型慢性肝炎に対してペグインターフェロンα2bとリバビリンの併用療法を行い,SVRとなった.IFN加療前の甲状腺機能は正常であったが,加療開始7カ月後に一過性のthyrotoxicosisとなった.無治療にて経過観察したところ,甲状腺機能低下症となり,無痛性甲状腺炎と診断した.IFN終了時に再度甲状腺ホルモン値の増加をみたが今回は減少傾向をみないままthyrotoxicosisが続いた.2008年8月のTSH受容体抗体は陽性であり,甲状腺エコーでは血流の増加を認め,甲状腺シンチでは甲状腺全体への取り込みが亢進していたため,バセドウ病と診断した.IFN療法によって,破壊性病変である無痛性甲状腺炎と刺激性病変であるバセドウ病が連続して同じ症例で起こることは極めてまれであり,貴重な症例と思われる.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 51 (6), 300-304, 2010

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (20)*注記

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