筋膜閉鎖を行った12mmポート孔に発生したポートサイトヘルニアの1例

  • 杉村 啓二郎
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 水野 均
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 位藤 俊一
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 飯干 泰彦
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 山村 憲幸
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 藤井 亮知
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 楠本 英則
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 中川 朋
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 岸本 朋也
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科
  • 伊豆蔵 正明
    りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Port–Site Hernia Occurrence After Fascia Suturing

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抄録

患者は,74歳,男性.早期胃癌に対し,腹腔鏡補助下幽門側胃切除を施行した.閉創時,カメラポート孔は腹膜,筋層を縫合閉鎖し,それ以外の12mmポート孔は筋膜のみを縫合閉鎖した.術後第5病日にイレウス症状が出現し,第7病日のCTで左下腹部12mmポート部位への小腸の嵌頓を認めた.ポートサイトヘルニアによるイレウスと診断し,緊急手術を施行した.腹腔鏡下に観察すると,同ポートの部位に小腸が嵌頓していた.筋膜には縫合糸がしっかりかかっており,その筋膜下に小腸が脱出していた.小腸を腹腔内に還納したところ小腸の色調は改善したため,腸切除は施行しなかった.ヘルニアをおこしたポート孔を腹腔内から確認しながら腹膜,筋層を縫合閉鎖した.その後の経過は良好であった.ポート孔の閉鎖は筋膜縫合が必要とされているが,10mm以上のポート孔の場合は筋膜の縫合閉鎖だけではなく,腹腔鏡観察下での腹膜・筋層の縫合閉鎖が必要と考えられた.

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参考文献 (13)*注記

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