Duchenne型筋ジストロフィーに対するアンチセンス・モルフォリノを用いたエクソン・スキッピング治療

  • 中村 昭則
    国立精神・神経センター神経研究所遺伝子疾患治療研究部
  • 武田 伸一
    国立精神・神経センター神経研究所遺伝子疾患治療研究部

書誌事項

タイトル別名
  • —前臨床試験の成果と臨床応用への展開—

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抄録

 Duchenne型筋ジストロフィー (DMD) は, ジストロフィン遺伝子の変異により筋形質膜に存在するジストロフィンが欠損し, 進行性に骨格筋や心筋が侵される致死性のX連鎖性疾患である. 最近, アンチセンス・オリゴヌクレオチド (AO) を用いてジストロフィン遺伝子変異によるアミノ酸の読み枠を修正してジストロフィンの発現を回復し, より軽症の病型に転換するエクソン・スキッピング治療が注目されている. 安定かつ安全な2'-O-メチル フォスフォロチオネートAOやモルフォリノが開発され, DMDモデル動物で有効性と安全性が確認された. オランダや英国ではエクソン51スキッピング治療の治験が進行中であり, 臨床応用可能な治療法として期待されている.

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 42 (2), 117-123, 2010

    一般社団法人 日本小児神経学会

参考文献 (20)*注記

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