植生の変化を復元するための時間・空間スケール

  • 高原 光
    京都府立大学大学院生命環境科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Time and spatial scale for reconstructions of vegetation changes
  • ショクセイ ノ ヘンカ オ フクゲン スル タメ ノ ジカン クウカン スケール

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抄録

生態系の変化にはさまざまな現象があり,それらに特有な空間スケールと,それらが起こる頻度に関連した時間スケールがある.古生態学的研究を進めるには,目的に応じて,それに適した両スケールを考える必要がある.時間スケールについては,最終氷期において,千年スケールで起こったDansgaad-Oeschgerサイクルのような急激な気候変動に対する植生の応答関係を,時間分解能の高い研究によって解明することができる例を示した.空間スケールについては,琵琶湖のような大規模な堆積盆は広域のスケールでの植生復元を,森林内凹地(forest hollow)のように小規模な堆積盆では林分規模での植生復元に適していることを示した.さらに,複数地点の堆積盆における堆積物の分析によって,古植生の空間的な配置パターンを解明できることを紹介した.

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 49 (3), 181-188, 2010

    日本第四紀学会

参考文献 (62)*注記

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