経皮的ラジオ波焼灼術施行20カ月後に横隔膜ヘルニアを発症した1例

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  • A patient who developed diaphragmatic hernia 20 months after percutaneous radiofrequency ablation for hepatocellular carcinoma

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抄録

症例は50歳代,男性.B型肝硬変のため当科通院中に肝S8に径2.2cmの肝細胞癌を認めたため,超音波ガイド下にラジオ波焼灼術(RFA)を施行した.術後20カ月に右季肋部痛と呼吸困難感が出現し,当院に救急搬送された.腹部CTにて結腸の右胸腔内への逸脱を認め横隔膜ヘルニアと診断し,緊急手術が施行された.術中所見にて,右横隔膜頂部に筋膜欠損部を認め,逸脱腸管は壊死・穿孔をきたしていた.このため拡大右半結腸切除術,大網切除術ならびに回腸瘻造設術が施行された.また本症例は右半結腸の後腹膜への固定が緩い,Chilaiditi症候群を有していた.本症例においてCT所見を経時的に検討すると,RFA施行後に肝右葉の萎縮・変形をきたしており,横隔膜と肝臓の空隙に腸管が入り込みやすい状態となっていたことが,ヘルニア発症の誘因と考えられた.RFAの遅発性合併症として横隔膜ヘルニアがあることを念頭に置いて,経過観察することが必要と思われた.<br>

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