ピタバスタチンの血清尿酸値に対する影響ーアトルバスタチンおよびロスバスタチンとの比較

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  • Influence of pitavastatin on serum uric acid levels - Comparison with atorvastatin and rosuvastatin

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抄録

ピタバスタチンの血清尿酸値に及ぼす影響を,アトルバスタチンとロスバスタチンを対照にしてレトロスペクテイブに検討した.各薬物投与前後で血清尿酸値が測定されている外来患者104例を対象に,薬物投与直前の血清尿酸値と薬物投与2.3ヶ月後の血清尿酸値を比較検討した.検討患者の薬物別の内訳はアトルバスタチン投与群42例(平均投与量5.24mg/日),ピタバスタチン投与群32例(平均投与量1.13mg/日),ロスバスタチン投与群30例(平均投与量2.5mg/日)であった.アトルバスタチン投与群では,投薬前の血清尿酸値が6.1±1.5mg/dlから投薬後に5.8±1.4mg/dlに有意に低下した(p=0.008).ロスバスタチン投与群では5.7±1.2mg/dlが5.5±1.2mg/dlに低下する傾向にあったが有意な変化ではなかった(p=0.054).一方,ピタバスタチン投与群では5.5±1.4mg/dlが5.6±1.2mg/dl(p=0.65)と有意な変化はみられず,ピタバスタチンはアトルバスタチンのような血清尿酸値を降下させる多面的作用は期待できないと考えられた.いずれの投与群においても投薬前後で血清HbA1c値は有意な変動を示さなかった.尿酸は心血管障害の危険因子と推定されていることから,スタチン系薬物を必要とする心血管リスクの高い脂質異常症患者には,尿酸値も低下するアトルバスタチンが望ましいと考えられた.

収録刊行物

  • 痛風と核酸代謝

    痛風と核酸代謝 34 (1), 9-15, 2010

    一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会

参考文献 (16)*注記

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