特発性慢性疲労に酸棗仁湯加減が奏効した1例

  • 小暮 敏明
    社会保険群馬中央総合病院和漢診療科 群馬大学大学院医学系研究科統合和漢診療学
  • 巽 武司
    社会保険群馬中央総合病院和漢診療科 群馬大学大学院医学系研究科統合和漢診療学
  • 岸 大次郎
    群馬大学大学院医学系研究科統合和漢診療学
  • 奥 裕子
    社会保険群馬中央総合病院内科
  • 重田 哲哉
    県央病院整形外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Idiopathic Chronic Fatigue Successfully Treated with Sansonintokagen
  • 臨床報告 特発性慢性疲労に酸棗仁湯加減が奏効した1例
  • リンショウ ホウコク トクハツセイ マンセイ ヒロウ ニ サンソウニン トウ カゲン ガ ソウコウ シタ 1レイ

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抄録

慢性疲労はプライマリーケアでよく遭遇する症候であり,器質的疾患や機能的な疾患によってもたらされる。器質的疾患では基礎疾患の制御によって疲労の改善を得られるが,慢性疲労症候群や気分変調性障害などに伴う易疲労の場合,治療に難渋するケースが少なくない。今回我々は,特発性慢性疲労(ICF)の患者に対して酸棗仁湯加黄耆麦門冬が奏効した症例を経験した。症例は,更年期以降,数年に渡って疲労を自覚し,近医では器質的な異常を指摘されず疲労が継続していた62歳女性である。いわゆるICFに分類される症例で不眠傾向を伴うことから,酸棗仁湯加黄耆麦門冬を投与した。8週間の投与で不眠と疲労が軽減し家事ができるようになった。ICFに対して酸棗仁湯は鑑別に挙げられてよい方剤と考えられた。

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参考文献 (20)*注記

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