完全切除し得た中縦隔原発傍神経節腫の1例

  • 山本 純
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部
  • 増田 大介
    石切生喜病院呼吸器センター
  • 島内 正起
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部
  • 橋詰 寿律
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部
  • 沼田 岳士
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部
  • 塩澤 利博
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部
  • 谷田貝 洋平
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部
  • 國保 成暁
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部
  • 松山 政史
    筑波大学附属病院呼吸器内科
  • 小川 良子
    筑波大学附属病院呼吸器内科
  • 林原 賢治
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部
  • 斎藤 武文
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部
  • 水渡 哲史
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部
  • 深井 志摩夫
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器疾患部

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Middle Mediastinal Paraganglioma

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抄録

背景.不明熱を契機に発見され,外科的切除により症状改善を認めた中縦隔原発傍神経節腫の1例を経験したので報告する.症例.64歳女性.2005年6月下旬より発熱・咳嗽が出現し,症状が軽快しないため同年7月に近医へ入院した.精査にて気管前リンパ節腫脹を指摘され,同年8月に精査加療の目的のため当院へ紹介転院となった.胸部CTでは,中縦隔に血管に富む内腔の不均一な腫瘤を認めた.FDG-PET所見では中縦隔の腫瘍にSUVmax60/120=7.3/7.9とFDGの強い集積を認め,悪性腫瘍の可能性が示唆された.気管支鏡所見では腫瘍の接している下部気管・気管分岐部の毛細血管に血管拡張を認めた.悪性腫瘍の可能性が考えられたため,胸骨正中切開・心膜切開アプローチにより腫瘍を摘出した.病理組織学的および免疫組織化学的所見より縦隔原発傍神経節腫と診断された.切除後,発熱・炎症反応は軽快し,術後約4年経過した現在,再発兆候なく健在である.結論.完全切除し得た中縦隔原発傍神経節腫の1例を経験した.重要臓器が密集する中縦隔の腫瘍摘出術においては胸骨正中経路からのアプローチが非常に有効であった.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 32 (3), 285-290, 2010

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (7)*注記

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