ボルテゾミブ療法後に播種性接合菌症を合併した多発性骨髄腫

  • 中村 信元
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
  • 矢田 健一郎
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
  • 神野 雅
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
  • 原田 武志
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
  • 藤井 志朗
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
  • 三木 浩和
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
  • 中野 綾子
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
  • 賀川 久美子
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
  • 竹内 恭子
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
  • 尾崎 修治
    徳島大学病院輸血部
  • 安倍 正博
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
  • 松本 俊夫
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Multiple myeloma complicated with disseminated zygomycosis after bortezomib therapy
  • 症例報告 ボルテゾミブ療法後に播種性接合菌症を合併した多発性骨髄腫
  • ショウレイ ホウコク ボルテゾミブ リョウホウ ゴ ニ ハシュセイ セツゴウキンショウ オ ガッペイ シタ タハツセイ コツズイシュ

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抄録

67歳男性,背部痛を契機に2001年10月に多発性骨髄腫IgA-λ stage IIIAと診断された。VAD療法5コース後の2003年3月に自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を行うも再発した。以後,サリドマイド療法などを行うも再燃し,2007年6月入院した。入院後のボルテゾミブ(Bor)療法で,2度の腫瘍崩壊症候群をきたした。その後のCTで右肺上葉,膵尾部,脾臓の腫瘤が急速に出現し,ミカファンギンやボリコナゾールを投与するも,入院85日後に死亡した。剖検で,肺,脾臓に多発性の真菌塊と出血性梗塞が認められ,僧帽弁には真菌塊の疣贅を認め,組織学的に播種性接合菌症と診断した。Bor療法後の腫瘍崩壊によるアシドーシスや,コントロール不良の糖尿病,輸血による鉄過剰,抗真菌薬投与中のブレークスルー感染症などが発症の誘因と考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 51 (8), 690-695, 2010

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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