タクロリムス軟膏外用が奏効した慢性光線性皮膚炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Chronic Actinic Dermatitis Improved by Tacrolimus Ointment
  • 症例 タクロリムス軟膏外用が奏効した慢性光線性皮膚炎の1例
  • ショウレイ タクロリムス ナンコウ ガイヨウ ガ ソウコウ シタ マンセイ コウセンセイ ヒフエン ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

60歳の男性。58歳頃から頭部,顔面に痒性の紅斑が出現し四肢に拡大した。ステロイド外用,抗アレルギー薬内服で改善なく,顔面に色素沈着および脱失を伴い,白斑黒皮症様の臨床像を呈した。UVAで8J/cm2と最小反応量(MRD)の低下,UVBで0.03J/cm2と最小紅斑量(MED)の低下が認められた。病理組織像は表皮肥厚,錯角化,海綿状態が見られ,真皮上層の血管周囲に炎症細胞の浸潤が認められ,慢性皮膚炎の像であった。以上より慢性光線性皮膚炎(CAD)と診断した。UVA 8J/cm2×3日間連続の反復照射試験部位には紅斑を生じ,同部の病理組織像は病変部のものと類似していた。顔面,頚部の紅斑は遮光とタクロリムス軟膏の外用で著明に改善し,以後9ヵ月間フォローしているが経過は良好である。タクロリムス軟膏はCADの治療に有効であると考えられた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 67 (2), 93-97, 2005

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (21)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ