下腿潰瘍を契機に診断された原発性シェーグレン症候群の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Primary Sjögren's Syndrome with Cutaneous Vasculopathy Presenting as Leg Ulcers
  • 症例 下腿潰瘍を契機に診断された原発性シェーグレン症候群の1例
  • ショウレイ カタイ カイヨウ オ ケイキ ニ シンダン サレタ ゲンパツセイ シェーグレン ショウコウグン ノ 1レイ

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抄録

70歳,女。2003年8月より手指に,12月より両II・III趾にチアノーゼがみられ,下腿にびらん,網状皮斑が出現した。プロスタグランディン製剤の点滴静注,高圧酸素療法などで皮膚潰瘍は上皮化した。しかし同年10月より両下腿に爪甲大までの皮膚潰瘍が多発したため精査したところ,抗SS-A抗体陽性,シルマー試験およびガム試験陽性,唾液腺シンチで唾液の分泌低下を認めたためシェーグレン症候群と診断した。下腿からの皮膚生検は真皮下層の血管の閉塞,血管周囲に少数のリンパ球,形質細胞からなる細胞浸潤を示し,シェーグレン症候群に伴う血管病変と考えた。皮膚潰瘍は末梢循環改善剤内服と局所処置で軽快した。下腿潰瘍を契機に診断されたシェーグレン症候群の報告は比較的稀であるが,難治性下腿潰瘍の原因精査において,シェーグレン症候群も念頭に置くべきであると考える。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 68 (6), 626-629, 2006

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (14)*注記

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