門脈右枝閉塞をきたした黄色肉芽腫性胆嚢炎の1手術例

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  • A SURGICAL CASE OF XANTHOGRANULOMATOUS CHOLECYSTITIS PRESENTING AS PORTAL VEIN THROMBOSIS

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抄録

症例は80歳,男性.発熱と右季肋部痛を主訴に近医を受診し肝胆道系酵素の上昇,炎症反応高値を認め精査加療目的に当院に紹介となった.腹部CTにて胆嚢壁のびまん性肥厚と壁内に嚢胞状の低吸収領域,近接する肝床肝門部の不整な低吸収領域,さらに門脈右枝の閉塞と右葉胆管枝の軽度拡張を認めた.黄色肉芽腫性胆嚢炎と胆嚢癌の鑑別が困難なため最終的に拡大肝右葉切除,右尾状葉切除,肝外胆管切除再建を施行した.摘出標本の組織学的検索の結果,悪性所見は認めず胆嚢から肝,肝外胆管へと広がる広範囲な炎症性肉芽反応を認め,泡沫状に腫大した組織球が目立ち黄色肉芽腫性胆嚢炎と診断した.門脈右枝は肉芽組織による閉塞であった.門脈閉塞を合併した病態はまれであるため,文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (18)*注記

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