胸椎圧迫骨折後に重篤な麻痺をきたした脊髄硬膜外血腫の1例

  • 樽角 清志
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 森 英治
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 植田 尊善
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 前田 健
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 弓削 至
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 河野 修
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 高尾 恒彰
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 坂井 宏旭
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 益田 宗彰
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 宿利 知之
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 久保 勝裕
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 林 哲生
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター
  • 芝 啓一郎
    独立行政法人労働者健康福祉機構総合せき損センター

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Severe Paralysis Caused by Spinal Epidural Hematoma Associated with Thoracic Compression Fracture

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抄録

圧迫骨折後に続発する脊髄硬膜外血腫の報告は極めてまれである.今回,T11圧迫骨折に続発した脊髄硬膜外血腫により重篤な両下肢麻痺を呈し緊急手術となった1例を経験したので報告する.症例は83歳男性.平成21年5月,脚立から転落し午前11時頃前医に搬送された.前医入院時には両下肢麻痺はなく,T11圧迫骨折を認めたため安静・臥床を保っていたが,次第に下肢しびれや脱力感が出現し21時30分頃には両下肢完全麻痺状態になっていることが判明したため当センター緊急搬送となった.搬送時は両下肢完全麻痺状態であり,X線,CTではT11破裂骨折ではなく圧迫骨折を認めた.MRIではT11からL1までの硬膜外背側にT1 iso,T2 highとlowが混在する腫瘤を認めた.圧迫骨折に伴う硬膜外血腫を疑いT10-L1までの血腫除去,後方固定術を施行したが,麻痺の回復は得られなかった.椎体圧潰に伴う遅発性麻痺と異なり硬膜外血腫によるものはまれであるが念頭に置く必要がある.

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