ほぼ全小腸が陥入していた盲腸窩ヘルニアの1例

  • 金子 奉暁
    東邦大学医学部外科学講座(大森)一般・消化器外科
  • 島田 長人
    東邦大学医学部総合診療・救急医学講座
  • 本田 善子
    東邦大学医学部総合診療・救急医学講座
  • 久保田 喜久
    東邦大学医学部総合診療・救急医学講座
  • 下山 修
    東邦大学医学部総合診療・救急医学講座
  • 瀬尾 章
    東邦大学医学部総合診療・救急医学講座
  • 杉本 元信
    東邦大学医学部総合診療・救急医学講座
  • 金子 弘真
    東邦大学医学部外科学講座(大森)一般・消化器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Paracecal Hernia with Invagination of the Entire Small Bowel

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抄録

症例は25歳の男性。5年前から時々腹痛が出現し,検査を受けていたが異常所見は指摘されなかった。今回,腹痛と腹部膨満および嘔吐が出現し,当院を受診した。腹部単純X線検査では,腹部の中央部に拡張した小腸ガス像を認めた。また腹部CT検査では,小腸が体の中心部で集簇し,嚢状の構造物に包まれていた。以上より,内ヘルニアの診断で緊急手術を施行した。開腹したところ,直下に薄い膜で包まれ一塊となった腸管が確認された。腹腔内を検索すると下回盲窩にほぼ全小腸が陥入しており,盲腸窩ヘルニアと診断した。陥入した腸管をヘルニア嚢から引き出したところ,色調は良好であったため腸切除は施行しなかった。盲腸窩ヘルニアは比較的まれな疾患であるが,小腸のほとんどが陥入した症例はさらにまれであり,文献的考察を加えて報告する。

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

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