伝染性単核球症に脾破裂,DICを合併した1例

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タイトル別名
  • A CASE OF SPLENIC RUPTURE AND DISSEMINATED INTRAVASCULAR COAGULATION (DIC) ASSOCIATED WITH INFECTIOUS MONONUCLEOSIS

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抄録

症例は45歳,男性.咽頭炎症状が改善せず,当院内科を受診.内服処方を開始したが軽快せず,採血検査にて肝機能障害を認め,入院となった.入院7日目の朝から上腹部痛が出現し,ショック状態となった.腹部超音波およびCT検査の結果,脾破裂による腹腔内出血と診断し,血管造影下に塞栓術を施行した.塞栓術施行直後に心肺停止状態となり,蘇生したがその後再度心肺停止となり,再蘇生後緊急開腹手術を施行した.出血源は脾臓で被膜の脆弱化が顕著であり,脾臓を摘出した.抗体検査の結果からEBウイルスの初感染による伝染性単核球症と診断した.術後は血小板減少,凝固機能異常からDICを発症し,集中治療により救命したが,意識レベルの回復は認められなかった.1983年以降,脾破裂を合併した伝染性単核球症の本邦報告例は本症例が9例目であり,稀な例と考えられた.

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