書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Hemorrhage from Duodenal Ulcer After Pylorus-Preserving Pancreaticoduodenectomy Treated by Embolization by Interventional Radiology
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抄録
症例は58歳,男性。十二指腸潰瘍の既往あり。膵頭部の膵管内乳頭腫瘍に対し,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術pylorus-preserving pancreaticoduodenectomy(以下,PPPD)施行。経過良好で術後24日目に近医転院。術後27日目,夕食摂取後に大量吐血し,内視鏡にて止血し得ず,ショック状態にて当院救急搬送された。緊急血管造影を施行し,総肝動脈造影にて造影剤の血管外漏出あり,胃十二指腸動脈より選択的に造影すると,同動脈分枝のextravasationが確認され,コイルによる塞栓術施行。止血が得られた。止血後の消化管内視鏡検査にて,十二指腸─空腸吻合部近傍の十二指腸球部前壁に止血に用いたコイルの露出を認め,十二指腸潰瘍出血であったことが判明した。PPPD術後合併症として,膵液漏や感染に伴った出血や,胃潰瘍や吻合部潰瘍による出血の報告はあるが,残存した十二指腸の潰瘍発生が,大量出血につながった報告はまれである。PPPDを考慮する場合,残存十二指腸潰瘍の発生も念頭におき,慎重な術式選択や術後の薬剤選択の必要性が示唆された。
収録刊行物
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- 日本腹部救急医学会雑誌
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日本腹部救急医学会雑誌 30 (4), 613-616, 2010
日本腹部救急医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679711282304
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- NII論文ID
- 130004508795
- 10026919807
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- NII書誌ID
- AN10426469
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- ISSN
- 18824781
- 13402242
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可