胃全摘術後4年5カ月を経て急性輸入脚症候群を呈した再発胃癌の1例

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  • A CASE OF RECURRENCE OF GASTRIC CANCER WITH ACUTE AFFERENT LOOP SYNDROME 4 YEARS AND 5 MONTHS AFTER TOTAL GASTRECTOMY

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抄録

急性輸入脚症候群は胃切除後に見られる比較的まれな合併症である.今回われわれは胃全摘術後4年5カ月経過して急性輸入脚症候群を呈した再発胃癌の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は85歳,男性で腹痛,嘔吐を主訴に来院した.4年5カ月前に進行胃癌で胃全摘術が施行されていた.US,CTで輸入脚の拡張,膵管および胆管の拡張,著明に腫脹した胆嚢などを認め,急性輸入脚症候群と診断した.内視鏡下に減圧処置を試みたが困難であり,緊急手術を施行した.開腹所見では胃全摘後のRoux en-Y再建がなされており,Treitz靱帯部より中枢側の輸入脚は著明に拡張していたが,それより末梢側の輸入脚および空腸-空腸吻合部には異常を認めなかった.循環動態不安定であったため,新しいRoux en-Y吻合のみを結腸後ルートで作成した.術後23日目に軽快退院した.急性輸入脚症候群は致死率の高い重篤な病態であり,早期診断および可及的速やかに適切な処置が必要である.

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