伊勢湾地域における二酸化窒素(NO<SUB>2</SUB>)濃度の冬と夏の特性

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タイトル別名
  • Variations of NO<SUB>2</SUB> in winter and summer in Ise Bay area
  • 伊勢湾地域における二酸化窒素(NO2)濃度の冬と夏の特性
  • イセワン チイキ ニ オケル 2サンカ チッソ NO2 ノウド ノ フユ ト ナツ ノ トクセイ

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抄録

本研究では,冬季の1997年1月16日-17日,夏季の1998年7月15-16日に伊勢湾地域の三重県,愛知県,岐阜県の195地点での二酸化窒素(NO2)濃度の同時測定を行い,風の流線,収束·発散域の解析によって,大気汚染物質の発生源,輸送,滞留に及ぼす地形効果と地上風(海陸風)の影響について考察した.風の収束·発散は地形や海陸風と密接に関係している.伊勢湾岸地域において,海風のように内陸に向かう風は,山地にぶつかり山麓で収束する.つまり,海風の内陸への進入の際の通り道である谷沿いや内陸山地の麓に収束域が形成されることが分かった.また,伊勢湾岸上,三重県の伊勢平野から鈴鹿山脈に至る地域,濃尾平野,養老山地,伊吹山地,美濃三河高原地域での収束·発散域を把握することができた.二酸化窒素(NO2)の高濃度地域は名古屋市,四日市市,桑名市の大都市やコンビナート周辺の他に,各務原市と多治見市においても示された.大気汚染の発生源の少ない小都市である各務原市と多治見市の汚染濃度が高いことについて,各務原市は四日市市や桑名市方面からの南西風に,多治見市は四日市市や桑名市方面から名古屋市を経由する南南西風に乗って内陸まで輸送され,滞留される.つまり,夕方,深夜から早朝にかけて,海岸付近の都市·工業地域·道路上において発生した二酸化窒素(NO2)が,日中,海風に乗って内陸まで輸送され,収束域となる谷沿いや内陸山地の麓に滞留され,これらの地域が溜まり場となるメカニズムが明らかになった.

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