蒸気温熱シートによる腰部加温が体温調節反応と感覚に及ぼす効果

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  • Effects of warming the lower back with a heat and steam generating sheet on thermoregulatory responses and sensation

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抄録

本研究において我々は,長時間水蒸気を発生する蒸気温熱(HSG)シートを作製し,体温調節反応および感覚に及ぼす効果について検討した.7 名の男性被験者に対して,20℃40%RH の冷涼な環境下,1)HSG シート(12×20 cm)による腰部加温,2)水蒸気を発生しない乾熱(HG)シートによる腰部加温,3)非加温(コントロール)の 3 つの試験を各4時間実施した.試験中,加温部と加温部周辺の皮膚温度と皮下温度ならびに直腸温度を測定し,被験者に全身の温熱的快・不快感と,加温部の局所の温熱感覚を報告させた.その結果,シート適用部直下の皮膚温度が HSG シートと HG シートで同等であったにもにかかわらず,シートから外側 2 cm の皮膚温度は HSG シートでおよそ0.9℃高かった.さらに被験者は,HSGシートを適用したとき,HG シートに比べて体全体の冷え感覚が有意に抑制され,加温部の温感がより温かくより広範囲に広がる感覚を報告した.熱流束測定装置を用いた別個の試験で,HSG シートと HG シートは同じ表面温度であったにもかかわらず,HSG シートの熱流束は HG シートの熱流束よりも高かった.これらの結果は,蒸気で皮膚を加温することは乾いた熱で加温することに比べてより効果的であることを示す.<br>

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