胸腺癌と原発性肺癌の重複癌の1例

  • 西井 竜彦
    日本大学医学部付属板橋病院 心臓血管・呼吸器・総合外科
  • 村松 高
    日本大学医学部付属板橋病院 心臓血管・呼吸器・総合外科
  • 四万村 三恵
    日本大学医学部付属板橋病院 心臓血管・呼吸器・総合外科
  • 古市 基彦
    日本大学医学部付属板橋病院 心臓血管・呼吸器・総合外科
  • 大森 一光
    日本大学医学部付属板橋病院 心臓血管・呼吸器・総合外科
  • 塩野 元美
    日本大学医学部付属板橋病院 心臓血管・呼吸器・総合外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of synchronous thymic carcinoma and primary lung cancer

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抄録

症例は,65歳の女性.健診の胸部X線検査で,縦隔の拡大を指摘され,当科紹介受診.胸部CT検査で,前縦隔に境界明瞭で内部不均一な45mm大の類円形腫瘤を認め,胸腺腫の疑いで手術(腫瘍摘除および胸腺全摘術・右肺部分切除術・左腕頭静脈形成術)施行.病理検査では,胸腺癌(扁平上皮癌)であった.左肺S6にも小結節影を認めていたが,本人の希望で経過観察とした.術後放射線療法を施行し,経過観察中,左肺S6の結節影の増大傾向を認めた.胸腺癌の肺転移,もしくは原発性肺癌と考えられ,手術施行.術中病理で腺癌の診断が得られ原発性肺癌と判断し,下葉切除術およびリンパ節郭清を施行した.術後6ヵ月の時点で再発は認めず,引き続き外来経過観察中である.本邦における胸腺癌と肺癌の重複癌の報告例は本症例が9例目であった.胸腺癌と肺癌の重複癌の報告はきわめて稀であり,報告した.

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参考文献 (11)*注記

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