頚部アプローチで切除し得た縦隔副甲状腺嚢腫の1例:文献報告133例の検討

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タイトル別名
  • A case of mediastinal parathyroid cyst: Review of 133 cases of mediastinal parathyroid cyst in the literature
  • Review of 133 cases of mediastinal parathyroid cyst in the literature
  • 文献報告133例の検討

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抄録

症例は55歳女性.胸部圧迫感を自覚し人間ドックで胸部異常陰影を指摘され紹介となった.頚胸部CTでは気管を右方に圧排し,甲状腺左葉から気管分岐部近傍にまで至る8×5.5×3cmの嚢胞性腫瘤を認めた.中縦隔嚢腫と考え手術を施行した.嚢腫は周囲組織との癒着もなく頚部切開のみで完全切除し得た.病理組織像で副甲状腺嚢腫と診断した.嚢腫内容液中のPTH,intact-PTH,PTHrPは高値を示したが,血液中濃度は正常であった.縦隔副甲状腺嚢腫はこれまで学会抄録のみも含めて133例の報告を認め,非機能性腫瘍が59%,中縦隔内は23%であった.中縦隔副甲状腺嚢腫を頚部アプローチのみで切除している報告は稀であるが,中縦隔の比較的大きな薄壁嚢腫でも,局所症状が軽度の場合には周囲との癒着は疎と思われ,なかには頚部アプローチのみで完全切除が可能な症例もあると考えられた.

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