樹状細胞上のC型レクチンDC‐SIGNによる結腸がん細胞表面糖鎖の認識と腫瘍免疫の制御

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タイトル別名
  • Colorectal carcinoma-associated carbohydrate recognition and tumor-immunological regulation by C-type lectin DC-SIGN
  • GLYCODEBUT 樹状細胞上のC型レクチンDC-SIGNによる結腸がん細胞表面糖鎖の認識と腫瘍免疫の制御[含 英語文]
  • GLYCODEBUT ジュジョウ サイボウ ジョウ ノ Cガタ レクチン DC SIGN ニ ヨル ケッチョウ ガン サイボウ ヒョウメン トウサ ノ ニンシキ ト シュヨウ メンエキ ノ セイギョ ガン エイゴブン

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抄録

樹状細胞上に発現する DC-SIGN (DC-specific intercellular adhesion molecule-3-grabbing nonintegrin) は II 型の膜貫通 C 型レクチンであり,細菌やウイルスなど外来異物表面の糖鎖を認識し,樹状細胞による抗原の取り込み,抗原の提示に関与することが知られている。しかし,これまで DC-SIGN とがんの関連性は明らかにされていない。最近の我々の研究により,DC-SIGN が結腸がん細胞に結合することが示され,結合には結腸がん関連ルイス型糖鎖抗原の関与が示唆された。また,DC-SIGN を介するがん細胞への結合により,樹状細胞からの LPS 刺激による IL-6,IL-10 の分泌が促進され,樹状細胞の成熟およびナイーブ T 細胞の Th1 細胞への分化が抑制されることが明らかとなった。さらに,結腸がん組織において実際に,結腸がん関連ルイス型糖鎖リガンドと DC-SIGN 発現樹状細胞が近接する様子も観察された。これらの結果は,樹状細胞の機能阻害を引き起こすことで,DC-SIGN が腫瘍免疫に対して抑制的に働くことを意味し,がん細胞が免疫監視機構から逃避するメカニズムの一つとなることを示すものである。<br>

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参考文献 (41)*注記

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