Churg-Strauss症候群に合併した末梢性中大脳動脈瘤の1例

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タイトル別名
  • A case of unruptured peripheral middle cerebral artery aneurysm associated with Churg-Strauss syndrome

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抄録

Churg-Strauss症候群(CSS)はアレルギー性肉芽腫性血管炎で,全身の合併症として気管支喘息,多発性単神経炎,腎障害,消化器症状,皮膚症状等,多臓器にわたり血管炎による症状を呈するが,脳血管病変を呈することは少なく,脳動脈瘤合併の報告は稀である.今回我々は,CSSの経過中に未破裂脳動脈瘤を合併した1例を経験した.本例では,一過性意識消失発作をきっかけに,頭部MRAにて左中大脳動脈末梢部の動脈瘤を疑われ,脳血管撮影にて左後側頭動脈に未破裂脳動脈瘤を認めた.開頭によりクリッピング術を行い,動脈瘤の病理組織標本では,線維性結合組織が増加し肥厚した壁構造を示していた.CSSの死因としては脳内出血が16% にみられるが,これは脳の血管炎と高血圧によるものであり,CSSと脳動脈瘤の合併例は我々が調べた限りでは1例のみであった.また動脈瘤の発生部位は中大脳動脈の末梢部で,性状も通常の動脈瘤と比べて非典型的であったことから,肉芽腫性血管炎に関連した病態であると考えられた.

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 32 (1), 80-85, 2010

    一般社団法人 日本脳卒中学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (16)*注記

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