定位脳照射の時代における肺癌脳転移放射線治療─長期生存者の臨床的特徴について─

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タイトル別名
  • THE CONVENTIONAL IRRADIATION FOR BRAIN METASTASES FROM LUNG CANCER IN THE ERA OF STEREOTACTIC RADIATION: THE CLINICAL CHARACTERISTICS OF LUNG SURVIVORS

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抄録

【目的】予後不良とされる肺癌脳転移症例でも長期生存する患者群が存在し,radical な放射線治療のよい適応と考えられている.定位脳照射の行えない施設における肺癌脳転移患者の中にも,そのような予後良好な患者群があるか否かについて臨床的因子を検討した.【対象】2001 年 4 月から2006年 3 月に,肺癌脳転移に対して放射線治療を行った60例中,他院紹介で経過不明の 4 例を除く56例を検討対象とした.生存期間は脳転移への照射開始日を起点として算出した.【結果】症例全体の生存期間中央値は91日であった.PS良好な症例や頭蓋外病変が制御されている症例のうち 8 例で,1 年を超える生存期間が認められた.この 8 例中 5 例が腺癌であった.【まとめ】現時点ではPS良好,頭蓋外病変制御,腺癌が長期生存の可能性のある因子である.腺癌に対する分子標的薬の有効性など,肺癌脳転移の経過に影響しうるデータも報告されている.今後,併用療法なども含めた患者因子および治療結果の観察を継続されることが必要である.

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参考文献 (19)*注記

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